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  • イベント情報

    21:00~ 渋谷ユーロスペースにて上映!

    3/4(土) 上映前・舞台挨拶

    登壇者(敬称略):竹林宏之監督、山田キヌヲ、柳谷一成、川瀬陽太

    3/7(火) 上映後・トークショー

    竹林宏之監督 X 諏訪敦彦監督 X 今橋貴(脚本) X 山田キヌヲ

  • あらすじ

    冬休み、小学校教師・小野今日子は勉学に遅れがある生徒・鉄平の補講授業を行う事になる。今日子は、鉄平の母・美映と不思議な絆で結ばれるのであった。

    一方、冬休みの合宿に行っていたはずの今日子の息子・三四郎が、なぜか万引きで捕まったという報が入り、ある隠し事をしている事が発覚するのだった……。

     

    2017年/80分/アメリカンビスタ/5.1ch/カラー/DCP
    監督:竹林宏之
    脚本:今橋貴|プロデューサー:池本凌太郎 井前裕士郎|撮影:城田柾|照明:上野陸生|美術:侯捷|衣装:栗田珠似|録音:伊豆田廉明|サウンドデザイン:清水裕紀子|編集:小林淳之介|助監督:西川達郎 大杉拓真|製作主任:林宏妍 鈴木麻衣子|ヘアメイク:橋本申二 中麻衣子|音楽:久徳亮
    出演:山田キヌヲ 韓英恵 遠藤史人 松田北斗 川瀬陽太 柳谷一成

  • 予告

    予告編①

    予告編②

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  • コメント

    面倒見のいい女教師が、何でもかんでも面倒を背負い込み、実に面倒臭いことになっていく物語。それにしても素晴らしくヘンな映画だった。まず主人公を含めて大人たちがみんなヘン。あまりにもずけずけと物を言う。家の構造もヘンだ。熱演する山田キヌヲが部屋を飛び出してクリスマスツリーか何かを押し倒すバルコニーのような場所のヘンさ。別れた夫がどうやら海辺の堤防と思われる場所で、突然タップダンスを踊るシーンでそのヘンさは極まる。息子もつられてタップを踏むのだが、これまで見たことのない異様な光景だった。テッペイという子供だけが唯一マトモで、物言わぬ彼のたたずまいが不思議と印象に残る。
    黒沢清


    情操。「知的・道徳的・芸術的・宗教的などのことに関して生じる感情の動き」(漢字源)。教師で母、責任感が強く、学校では悪いことは悪いとずけずけ言ってしまう主人公今日子。家では、高校生の息子・三四郎の面倒をかいがいしく見る。今日子が補講を担当することになった鉄平の母、美映と出会うことで、その世界は少しずつほころびを見せる。社会の道徳や規範を背負って生きている彼女を支えている感情は何か。今日子のエキセントリックさは、演ずる山田キヌヲの細い身体からとてつもないエネルギーとなって画面を駆け抜け、フレーム外の空間まで広がる。対する美映を演じる韓英恵も負けていない。女たちは奮闘し、男たちはタップダンスを踊る。息子たちの視線はどこに向くのか。巧みな演出 と時折入る効果的な音楽で不器用な人物たちが不思議につながっていく。そして、エニグマ的な余韻を残すラストシーン。もう一度最初から映画を見直したくなる誘惑に駆られる。過剰と抑制の間を行き来しつつ、空間を繊細に枠取りしながらを乾いた視線で捉えるカメラが印象的だった。今日子、妙に共感しました。

    斉藤綾子 ( 映画研究家・明治学院大学教授)

     

     

     

    小学校教師今日子は、彼女を取り巻く世界を律儀に秩序づけようと奔走し、同時にその過剰な行動によって世界を撹乱するトリックスターである。主婦仲間の下らない雑談から立ち去る今日子が、突如直角に方向転換して走り出す後ろ姿のように、彼女には他人や自分に見せようとする私と、彼女を突き動かす衝動の間をとりまとめる中間というものはなく、その変化は不意打ちとして周囲をたじろがせるのだ。しかし、不意打ちを食らうのはむしろ彼女のほうである。彼女の秩序は彼女だけのものであり、世界のほうは常に今日子の期待を裏切るように出現する。奇人、変人による(スクリューボール)コメディというジャンルに敬意を払いつつ周到に造形された脚本が素晴らしいが、一歩間違えばから騒ぎに陥ちるかもしれない狂気の主人公と世界との喜劇的対決を、俳優の演技、身体を信頼し、活写する演出の手腕がしなやかで恐ろしいほどに冴えている。
    諏訪敦彦

     

     

     

    小学校の女教師と男子生徒の関係を軸として、話が構成されている。すなわち、二組の家族と教室の空間が主要舞台である。と言っても、冬休み期間で、学校に人影は少ない。その期間に補習をするほど教育熱心な今日子先生(山田キヌヲ)は、息子・三四郎と二人暮し。すなわち父親の不在。補修を受ける鉄平の母・美映(韓英恵)。しかし、こちらの家庭空間は描かれず、家族構成は不明である。そうした時、ある事件が起こり、教師親子は自宅謹慎となる。美映に頼まれ、補修の舞台は、教室から今日子の家に移る。二人暮しには広すぎるくらいの家は、母二人、男の子二人の四人家族のような様相を呈していく。山田キヌヲ対韓英恵の演技合戦が見もの。実に王道の撮り方で、役者が存分に動く空間が見事にフレーミングされる。さて、不在の父親の出現が、クリスマス、いわば束の間のユートピアを危機に陥らせる。息子が父親の元に去るのである。今日子の家に残るのは、鉄平のみ。ここで、血の通った親子より、血の繋がりのない二人の方が親子らしいという演出の妙味が存分に発揮される展開になっていく。そこに美映とその夫が訪問する。なんと二人は離婚し、息子は夫が引き取りと言うのだ。この夫による息子強奪の相似形。今日子は一計を巡らし、離婚を阻止しようとする。ここでキッチンから、居間、テラスまで活用したワンシーン=ワンカットが圧倒的に素晴らしい。作品に句点を打つ3回のフェイド・アウトのうち、最後のみ続くカットがカット・インでないという周到な編集も冴えている。驚くべきはエピローグ。悲惨でありつつ滑稽なという、つまり感動的というほかない場面が、主人公の今後の歩みを伝えるである。プロデューサーの皆さんは、竹林宏之という名前を覚えておいた方がいい。

     

    筒井武文

     

     

     

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    キャスト

    山田キヌヲ

    小野今日子

    韓英恵

    井上美映

    柳谷一成

    井上裕二

    遠藤史人

    小野三四郎

    松田北斗

    井上鉄平

    川瀬陽太

    今野耕三

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    スタッフ

    監督:

    竹林宏之

    1988年生まれ、福岡県出身。明治学院大学文学部芸術学科に入学後、映画史を学び、映画制作を始める。主な監督作に『ハチとミツ-新しい季節-』(14)『帰れないふたり』(15)『ジョンとヨーコ』(16)がある。

    脚本:

    今橋貴

    プロデューサー:

    池本凌太郎

    井前裕士郎

    撮影:

    城田柾

    照明:

    上野陸生

    美術:

    侯捷

    録音:

    伊豆田廉明

    整音:

    清水裕紀子

    内田雅巳

    編集:

    小林淳之介

    音楽:

    久徳亮

    助監督:西川達郎 大杉拓真 

    衣装:栗田珠似 

    音響効果:齋藤昌利 

    ヘアメイク:橋本申ニ 中麻衣子

    撮影助手:小海祈 松島翔平 

    照明助手:深谷祐次 阿部陵亮 尚貴弘

    美術助手:古屋ひな子 云丹 

    録音助手:内田雅巳 織笠想真 鈴木一貴

    編集助手:髙井美沙 

    製作主任:林宏姸 鈴木麻衣子

    演出応援:登り山智志 太田達成 

    製作応援:野頭雄一郎 勝山侃洋 木戸大地

    照明応援:薛白 李子瑶 祢津尚輝 Eunhee John 佐久間周平

    録音応援:波多野悠美 新井希望 坂元就 

    俳優担当:浅野良輔

    車両:細谷光 末次純也 

    劇用車提供:井前隆一朗

    タップダンス指導:米澤一平 

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