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「私たちの情操家族」

監督 竹林宏之

『私たちの情操家族』

10代の頃、どうにもこうにも上手くいかない日々が続いていた、悩み多き時にトリュフォーの映画に出会った。
『大人は判ってくれない』という映画だった。僕はそこで、主人公を演じたジャン=ピエール・レオーという俳優にハマり、主人公ドワネルものの連作をこの俳優と一緒に、監督が生涯の半分を費やして、作ったという事を知り、全ての作品を観たのだった。
この作品との出会いがきっかけとなって、山田宏一さんの本に出会ったり、沢山の映画作家や批評家の名前を知り、観たり読んだりを繰り返した。

高校の時、魑魅魍魎なヤンキーや引きこもりばかりが集まるような学校へ通った。綺麗事ばかりじゃなく、殴られんばかりの形相で凄まれたり、訳のわからない嘘に踊らされたり、めちゃくちゃ大変だったけど、半端じゃなく個人個人が勝手に存在しているその学校の中で、僕はなんだか楽しい日々を見つけた。映画は当時全く見なかったけど、昔、にっちもさっちも行かなくなった時、なんとなくヒントを教えてくれたりした映像や言葉たちが、自分が身の回りの出来事をどう見るか、認識に影響を与えたと思う。

必ずしも、映画の中で描かれる世界は、現実の人々を救うとは限らない。しかし、100年以上前に作られた映画はそれがいつの時代に作られたものであれ、上映を繰り返したり、新しい観客たちの認識に影響を与えるように思う。

僕はそこから大学に入って映画を撮り始めた。自分のそばに居る友達と何かが出来るんじゃないかと思った。でも、友達とただ映画を作る事はとても大変で、自分が好きだった作品たちはどのように作られたのか思いを馳せるばかりだった。
そんな中一緒に映画を作る友人と不慮の別れを経験したりして、自分がどうやって映画を撮るべきか本気で考えるようになった。

修了制作で『情操家族』を撮りました。大学院で出会った友達に、酔っぱらって色々な話しをした時に、この映画にはあなたが出会った人との時間も詰まってると思うと言われ、不意打ちを食らい、泣きそうになったり。。

日々、精一杯生きる事は大変ですが、何かうまくいってないなとか、そのように感じて生きている人にこの作品が届けば嬉しい限りです。

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