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「タップダンスについて」

助監督 西川達郎

「情操家族」で助監督を務めました西川達郎です。

ブログで何を書こうかと、あれこれ書いては消したりを繰り返してたのですが、僕からは劇中に出てくる「タップダンス」の話をしたいと思います。

予告編冒頭にも川瀬陽太さんがタップを踏むシーンがありますが、情操家族では他にも劇中でタップのシーンがあります。
タップダンスの監修は米澤一平さんにやって頂きました。

米澤さんによるとタップダンスも種類があり、ミュージカル的なショーとしての魅せるタップもあれば、よりストイックで原始的な音と体を使ったコミュニケーションを思わせるタップもあるそうで、作品の内容に合わせて後者により近いタップを川瀬さん、遠藤さんに振り付けして頂きました。

脚本を読み込んだ上で積極的に提案して下さり、打ち合わせ中、脚本に書かれた「タップダンス」の1単語がどんどん具体的な形になって深まっていくのを見るようでした。

「情操家族」はタップに限らず、1つ1つの描写を丁寧に、大事にしながらキャスト、スタッフ一丸となって作った作品です。
撮影準備も撮影中も1つ1つを大事にしていく姿勢は一貫していて、ともすれば主人公今日子の、誰にも理解されなくとも精一杯自分の在り方を演じようとする、ストイックな生き様にも繋がっているように思います。

そんな今日子を演じる山田キヌヲさんは、ロケ地の邸宅でひしめきあって撮影する大家族を、優しく見守る母のようであり、時に先生のようでした。
スタッフ全員の名前を覚えて下さってて、夜遅くまで撮影だった日はロケ地に泊まって僕らと一緒に酒を飲んだりと、現場を元気付けて頂いて、ありがたかったです。

さて、そんな「情操家族」をよろしくお願いします。